Gateway Load Balancer(GWLB)とは?サードパーティ FW を透過挿入

GWLB は L3(IP パケット)レベルで動くロードバランサー。Palo Alto・Fortinet・Check Point などのサードパーティ仮想セキュリティアプライアンス(FW/IPS/IDS)を、VPC 内の通信経路に 透過的に挿入できる。トラフィックは見た目に変...

サードパーティ製の仮想セキュリティアプライアンス(FW/IPS/IDS)を、トラフィックの透過挿入で利用できる L3 ロードバランサー。


1. 概要(端的に)

GWLB は L3(IP パケット)レベルで動くロードバランサー。Palo Alto・Fortinet・Check Point などのサードパーティ仮想セキュリティアプライアンス(FW/IPS/IDS)を、VPC 内の通信経路に 透過的に挿入できる。トラフィックは見た目に変わらず、裏でセキュリティ検査を経由する。


2. 何ができるか

  • L3 透過プロキシ:IP パケットをそのままセキュリティアプライアンスへ転送
  • GENEVE プロトコル:UDP 6081 で元パケットをカプセル化して中継
  • マネージド負荷分散:複数のアプライアンスインスタンスへ自動分散
  • ヘルスチェック:異常なアプライアンスを自動的に外す
  • GWLB Endpoint(GWLBe):他 VPC からも利用可(マルチアカウントでセキュリティ集約)

3. 特徴

観点特徴
レイヤーL3 / L4(IP パケット)
用途サードパーティ FW/IPS/IDS の透過挿入
プロトコルGENEVE(UDP 6081)
対象アプライアンスPalo Alto VM-Series, Fortinet FortiGate, Check Point CloudGuard 他
マルチアカウント対応GWLB Endpoint(GWLBe)経由で実現
設置場所VPC のセキュリティ専用 VPC(ハブ&スポーク構成)

ALB/NLB との違い

観点GWLBALBNLB
レイヤーL3L7L4
目的セキュリティアプライアンス挿入Web/API 振り分け高速 TCP/UDP
エンドユーザーが直接利用×

4. 仕組み

GWLB は 「セキュリティ VPC」と「アプリ VPC」をハブ&スポークで繋ぐ 構成で動く。

構成要素

  • GWLB:セキュリティ VPC に配置
  • ターゲットグループ:FW/IPS アプライアンス(EC2)の集合
  • GWLB Endpoint(GWLBe):他 VPC に配置するエンドポイント
  • GENEVE トンネル:パケットカプセル化
  • ルートテーブル:GWLBe を経由するように設定

動作の流れ

  1. クライアントから VPC 内のサーバーへトラフィック発生
  2. ルートテーブルが「GWLBe を経由」するよう指示
  3. パケットが GWLBe へ → GWLB を経由 → セキュリティアプライアンスへ
  4. アプライアンスが検査(FW/IPS/IDS)→ OK なら GWLB へ戻す
  5. GWLB が元の宛先へ転送
  6. クライアント↔サーバーから見れば 透過的にセキュリティ検査が挟まる

マルチアカウント構成

セキュリティチームが管理する 集中型セキュリティ VPC に GWLB を配置し、各アプリ VPC は GWLBe 経由で接続。1 セキュリティチームで全社のトラフィックを検査する設計が可能。


5. ユースケース

ユースケース 1:サードパーティ FW の透過挿入

オンプレで使い慣れた Palo Alto FW を AWS 上でも使いたい時。

ユースケース 2:マルチアカウントのセキュリティ集約

セキュリティ部門が中央 VPC で全社トラフィックを検査。

ユースケース 3:IDS/IPS による侵入検知

攻撃検知のために全パケットをスキャン。

ユースケース 4:規制対応

金融・医療など、規制要件で「全トラフィックの検査ログ保持」が必要な時。


6. 関連用語

  • ELB — GWLB を含む LB の総称
  • ALB / NLB — 比較対象(用途が異なる)
  • VPC — GWLB が配置されるネットワーク
  • Network-Firewall — AWS マネージド FW(GWLB と用途が近い領域もある)
  • Transit-Gateway — マルチ VPC のセキュリティルーティング

7. 関連サイト

AWS 公式

参考


🎓 試験での出題傾向

試験重要度主な出題パターン
CLF出題なし
SAA「サードパーティ FW を透過的に挿入したい」シナリオで GWLB が選択肢
DVA出題なし
SOAセキュリティ運用の文脈で稀に