Network Load Balancer(NLB)とは?L4 高性能ロードバランサーの特徴
NLB は ネットワーク層(L4)ロードバランサー。秒間数百万リクエストを数 ms のレイテンシで捌ける、AWS で最も高性能な LB。固定パブリック IP(Elastic IP)が割り当てられ、ファイアウォール許可リスト登録などのケースで重宝される。 ---
TCP/UDP/TLS(L4)に対応した超高性能ロードバランサー。固定 IP と数 ms 単位の低レイテンシが武器。
1. 概要(端的に)
NLB は ネットワーク層(L4)ロードバランサー。秒間数百万リクエストを数 ms のレイテンシで捌ける、AWS で最も高性能な LB。固定パブリック IP(Elastic IP)が割り当てられ、ファイアウォール許可リスト登録などのケースで重宝される。
2. 何ができるか
- L4 ロードバランシング(TCP/UDP/TLS)
- 超高スループット:秒間数百万リクエストを処理
- 超低レイテンシ:1〜2 ms 程度
- 固定 IP(Elastic IP):AZ ごとに 1 つの固定 IP を持てる
- ターゲット種別:EC2 / IP / ALB(NLB → ALB 連携で組み合わせ可)
- 静的 IP の保持:起動・停止しても IP が変わらない
- PrivateLink のフロントエンド:サービスを別 VPC に公開する基盤
- クライアント IP 保持:HTTP ヘッダではなく TCP 接続元として直接渡す
3. 特徴
| 観点 | 特徴 |
|---|---|
| レイヤー | L4(TCP/UDP/TLS) |
| 性能 | 秒間数百万 RPS / 数 ms レイテンシ |
| 固定 IP | ○(AZ ごとに 1 つ Elastic IP) |
| L7 ルーティング | × |
| WAF 統合 | × |
| クライアント IP | 保持される(IP モードのみ) |
| コスト | ALB より安い場合が多い |
| AZ | 最低 1 AZ から運用可(ALB は 2 AZ 必須) |
ALB との比較(再掲)
| 観点 | NLB | ALB |
|---|---|---|
| プロトコル | TCP/UDP/TLS | HTTP/HTTPS/gRPC/WebSocket |
| 固定 IP | ○ | × |
| レイテンシ | 数 ms | 数十 ms |
| ルーティング | シンプル | 高度(L7 条件) |
| 用途 | ゲーム/VoIP/IoT/超高速 | Web/API |
4. 仕組み
NLB は 「リスナー → ターゲットグループ → ターゲット」 の流れ。ALB と違いルールベースの分岐は無く、リスナー単位でターゲットグループを 1 つ選ぶシンプル構造。
構成要素
- NLB 本体:AZ ごとに 1 ENI(固定 IP)
- リスナー:ポート + プロトコル(TCP:80, UDP:53, TLS:443 など)
- ターゲットグループ:振り分け先(EC2 / IP / ALB)
- ヘルスチェック:TCP / HTTP / HTTPS
動作の流れ
- クライアントが NLB の固定 IP にアクセス
- リスナーが TCP / UDP パケットを受信
- ターゲットグループから正常なターゲットを選択
- L4 のまま転送(HTTP の中身は見ない)
- レスポンスを返す
Connection Draining
ターゲット登録解除時、既存接続は完了まで保持してから切断。
TLS 終端
NLB に証明書を載せて TLS 終端する場合、ACM 統合が可能。後段は TCP で渡す。
Source IP Preservation
- インスタンス ID モード(EC2 ターゲット):クライアント IP がそのまま渡る
- IP モード:保持される
- ALB ターゲット:NLB → ALB の経路では NLB の IP に変換
5. ユースケース
ユースケース 1:オンラインゲームサーバー
低レイテンシ要件。UDP リスナーで高速配信。
ユースケース 2:VoIP / WebRTC
リアルタイム通信での L4 LB。
ユースケース 3:固定 IP が必須のシステム
パートナー企業のファイアウォールに送信元 IP を登録してもらう必要がある場合。
ユースケース 4:MQTT / IoT デバイス
TCP コネクションを長時間維持する IoT 通信。
ユースケース 5:PrivateLink のサービスプロバイダ
NLB を経由してプライベートに別 VPC にサービス提供。
ユースケース 6:超高負荷 Web(NLB → ALB 構成)
NLB で固定 IP + 高性能、後段 ALB で L7 ルーティングという組み合わせ。
6. 関連用語
- ELB — NLB を含む LB の総称
- ALB — L7 LB(比較対象 / NLB ターゲットにもできる)
- EC2 — 主なターゲット
- Elastic IP — NLB に固定 IP を割り当て
- PrivateLink — NLB がフロントエンドとなる
- Route53 — NLB への DNS ルーティング
7. 関連サイト
AWS 公式
参考
🎓 試験での出題傾向
| 試験 | 重要度 | 主な出題パターン |
|---|---|---|
| CLF | 中 | ALB との違い |
| SAA | 高 | 「固定 IP が必要 → NLB」「TCP/UDP → NLB」「超高速 → NLB」の判断 |
| DVA | 中 | NLB のターゲット指定 |
| SOA | 中 | NLB のヘルスチェック・運用 |