ネットワーク

NAT Gateway とは?プライベートサブネットの送信専用 NAT

NAT Gateway は プライベートサブネットの EC2 がインターネットへ送信通信できるようにするマネージド NAT。受信通信は不可なので、プライベートサブネットの隔離性を保ちつつ、外部 API・パッケージ更新等の外向き通信は許可できる。AZ 単位で配置し、高可用性を...

プライベートサブネットからインターネットへの送信専用 NAT。受信は不可(外部からアクセス不可)。


1. 概要(端的に)

NAT Gateway は プライベートサブネットの EC2 がインターネットへ送信通信できるようにするマネージド NAT。受信通信は不可なので、プライベートサブネットの隔離性を保ちつつ、外部 API・パッケージ更新等の外向き通信は許可できる。AZ 単位で配置し、高可用性を確保する。


2. 何ができるか

  • アウトバウンド NAT:プライベートからインターネットへの送信
  • マネージド冗長:AZ 内で自動冗長化
  • 高スループット:最大 100 Gbps
  • 接続数スケール:5 万〜90 万同時接続
  • IPv4 / IPv6 対応:IPv6 専用は Egress-only IGW

NAT Instance との違い

  • NAT Gateway(推奨):マネージド、自動スケール、高可用性
  • NAT Instance(旧式):自前 EC2 で NAT、運用負荷あり

3. 特徴

観点特徴
追加料金時間課金($0.062/h ≒ ¥9/h)+ データ処理($0.062/GB)
冗長性AZ 内マネージド冗長(複数 AZ 配置で AZ 跨ぎ冗長)
配置パブリックサブネット必須
EIP1 NAT GW に 1 EIP(固定 IP)
対象通信アウトバウンドのみ(受信不可)
対応 SGNAT GW 自体には SG なし(サブネット NACL で制御)

Multi-AZ 設計

[VPC]
 ├ パブリックサブネット AZ-a
 │   └ NAT Gateway A
 ├ パブリックサブネット AZ-c
 │   └ NAT Gateway C
 ├ プライベートサブネット AZ-a
 │   └ ルート: 0.0.0.0/0 → NAT A
 └ プライベートサブネット AZ-c
     └ ルート: 0.0.0.0/0 → NAT C

→ 各 AZ に NAT GW を配置することで、AZ 障害時にも対応でき、AZ 間データ転送料金を削減できる。


4. 仕組み

NAT Gateway は AWS マネージドな NAT デバイス。プライベート EC2 からの送信パケットを受け取り、送信元 IP を NAT GW の EIP に変換してインターネットへ転送する。

動作の流れ

  1. プライベート EC2 が外部 API 宛にパケット送信
  2. ルートテーブルで 0.0.0.0/0 → NAT GW
  3. NAT GW がパケットを受信、送信元 IP を自身の EIP に変換
  4. IGW 経由でインターネットへ
  5. レスポンスは IGW → NAT GW → EC2 と逆経路

重要な制約

  • 受信不可:外部からプライベート EC2 への接続は不可
  • TCP / UDP / ICMP 対応
  • SG なし:NAT GW 自体には SG を付けられない(NACL で制御)
  • 送信元 IP の保持はしない

料金の罠

  • 時間課金 $0.062/h × 24h × 30日 = 約 $45/月/個
  • データ処理 $0.062/GB:1 TB = $62
  • AZ 跨ぎ転送もデータ処理料金がかかる
  • Multi-AZ NAT GW 配置で AZ 間転送を削減

5. ユースケース

ユースケース 1:プライベート EC2 のパッケージ更新

yum / apt-get でのパッケージダウンロード。

ユースケース 2:外部 API 呼び出し

プライベートサブネットのアプリから決済 API・SaaS 連携。

ユースケース 3:Lambda の VPC 接続

VPC Lambda がインターネット API を叩く時の経路。

ユースケース 4:ECR から Docker Pull

プライベート EC2 が ECR からイメージを取得(VPC Endpoint も選択肢)。

ユースケース 5:ログ送信

プライベート EC2 が外部 SaaS ログサービスへ送信。


6. 関連用語

  • VPC — NAT GW の動作環境
  • IGW — NAT GW の出口
  • EIP — NAT GW に固定 IP 割当
  • Subnet — NAT GW はパブリックサブネットに配置
  • Route-Table — プライベートからのルート設定
  • VPC-Endpoint — NAT GW を回避してコスト削減

7. 関連サイト

AWS 公式

参考


🎓 試験での出題傾向

試験重要度主な出題パターン
CLFNAT GW の役割
SAAプライベート設計・Multi-AZ・コスト最適化
DVALambda VPC のインターネット接続
SOANAT GW 運用、料金トラブル