ストレージ ・
S3 Glacier 完全解説|Instant / Flexible / Deep Archive 3 階層の違い
S3 Glacier は 低頻度アクセスデータ向けの超低価格ストレージクラス。3 階層(Instant Retrieval / Flexible Retrieval / Deep Archive)があり、Standard の 1/6 〜 1/24 のコストで保管できる。代わ...
S3 のアーカイブ用低価格ストレージクラス群。長期保管に圧倒的なコスト優位性。
1. 概要(端的に)
S3 Glacier は 低頻度アクセスデータ向けの超低価格ストレージクラス。3 階層(Instant Retrieval / Flexible Retrieval / Deep Archive)があり、Standard の 1/6 〜 1/24 のコストで保管できる。代わりに取り出し時間や最小保管期間の制約がある。バックアップ・コンプライアンス・長期アーカイブの第一選択肢。
2. 何ができるか
- 超低価格保管:$0.0036 〜 $0.00099/GB/月
- 3 階層の選択:取り出し速度と料金のトレードオフ
- 耐久性 11 ナイン:Standard と同等
- S3 ライフサイクル統合:自動移行可能
- 取り出しオプション:迅速・標準・バルク
- クロスリージョン複製:DR・規制対応
3 階層
| クラス | 取り出し時間 | 月額/GB | 最小保管 |
|---|---|---|---|
| Glacier Instant Retrieval | 即時(ミリ秒) | $0.004 | 90 日 |
| Glacier Flexible Retrieval | 1 分〜12 時間 | $0.0036 | 90 日 |
| Glacier Deep Archive | 12〜48 時間 | $0.00099 | 180 日 |
3. 特徴
| 観点 | 特徴 |
|---|---|
| 耐久性 | 99.999999999%(11 ナイン) |
| 可用性 | 99.99%(取り出し後) |
| 取り出し料金 | クラス・取り出し方法で変動 |
| 最小保管期間 | クラスごとに 90 / 180 日 |
| 早期削除料金 | 最小保管期間内の削除には料金 |
| アーカイブ保管 = 安い | 取り出しが少ないほど効率的 |
Flexible Retrieval の取り出し方法
- Expedited(迅速):1〜5 分・最高料金
- Standard(標準):3〜5 時間・標準料金
- Bulk(バルク):5〜12 時間・最安
Deep Archive の取り出し方法
- Standard:12 時間
- Bulk:48 時間(最安)
4. 仕組み
S3 Glacier は S3 内部のストレージクラスとして動作する(旧 Glacier 単独サービスから変更)。S3 API で操作可能。
動作の流れ(取り出し)
- オブジェクトに
RestoreObjectリクエスト発行 - AWS がバックエンドで取り出し処理(時間は方法による)
- 一時的なコピー が S3 Standard に作成される(指定日数間)
- その期間中は通常の GetObject で取得可
- 期限切れで一時コピー削除(元 Glacier データは残る)
Glacier 移行の動作
- ライフサイクルで「30 日後に Glacier に移行」と設定すると自動移行
- 移行時に AWS 内部でデータがコールドストレージへ移動
- 移行リクエストにも料金(GB あたり)
取り出し時のコスト
- 取り出しリクエスト料金:1,000 リクエストあたり数セント〜
- 取り出しデータ料金:GB あたり数セント
- 早期削除料金:最小保管期間内に削除すると、残期間分を請求
5. ユースケース
ユースケース 1:法定保管(監査ログ)
法律で 7 年〜10 年保管必須のデータ。Deep Archive で激安。
ユースケース 2:医療・カルテデータ
即時取得が必要なら Glacier Instant Retrieval。
ユースケース 3:研究・科学データのアーカイブ
頻繁アクセスは少ないが消せないデータ。Bulk 取り出しで OK なら Deep Archive。
ユースケース 4:システムバックアップ
日次・月次の DB / システムバックアップ。万一の復旧用。
ユースケース 5:金融取引履歴
規制要件のアーカイブ。Vault Lock で改ざん防止と組み合わせ。
6. 関連用語
- S3 — Glacier の親サービス
- S3-StorageClass — Glacier はクラスの一部
- S3-Lifecycle — 自動 Glacier 移行
- S3-Object-Lock — Glacier と組み合わせて WORM
- AWS-Backup — Glacier をバックエンドに利用
7. 関連サイト
AWS 公式
参考
🎓 試験での出題傾向
| 試験 | 重要度 | 主な出題パターン |
|---|---|---|
| CLF | 高 | アーカイブ用ストレージとして頻出 |
| SAA | 高 | 「最小コストで長期保管」「12 時間以内取り出し OK」シナリオ |
| DVA | 低 | RestoreObject API |
| SOA | 高 | コスト最適化・移行運用 |