ストレージ ・
S3 ストレージクラス完全ガイド|7 種類の使い分けとコスト最適化
S3 ストレージクラスは アクセス頻度・耐久性・取り出し速度に応じた料金階層。Standard から Glacier Deep Archive まで 7 種類があり、正しく選べば同データを 1/24 のコスト で保存できる。SAA・SOA 試験で最頻出のテーマ。 ---
S3 のオブジェクトを「アクセス頻度・取り出し速度・冗長性」で分類した 7 つの料金階層。
1. 概要(端的に)
S3 ストレージクラスは アクセス頻度・耐久性・取り出し速度に応じた料金階層。Standard から Glacier Deep Archive まで 7 種類があり、正しく選べば同データを 1/24 のコスト で保存できる。SAA・SOA 試験で最頻出のテーマ。
2. 何ができるか
- コスト最適化:データの性質に応じてクラス選択
- 取り出し時間のトレードオフ:即時 〜 12 時間
- 耐久性の選択:標準 11 ナイン / 1 Zone は AZ 1 つ分のリスク許容
- 自動クラス移行:ライフサイクルポリシー or Intelligent-Tiering
- オブジェクト単位のクラス指定:バケット単位ではなくオブジェクトごと
7 種類のクラス
| クラス | アクセス頻度 | 取り出し時間 | 耐久性 | 可用性 | 月額/GB(目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| S3 Standard | 頻繁 | 即時 | 11ナイン | 99.99% | $0.023 |
| S3 Intelligent-Tiering | 自動最適化 | 即時〜数時間 | 11ナイン | 99.9% | 階層別 |
| S3 Standard-IA | 月数回 | 即時 | 11ナイン | 99.9% | $0.0125 |
| S3 One Zone-IA | 月数回・再生成可 | 即時 | 11ナイン(1 AZ) | 99.5% | $0.01 |
| S3 Glacier Instant Retrieval | 四半期数回 | 即時 | 11ナイン | 99.9% | $0.004 |
| S3 Glacier Flexible Retrieval | 年数回 | 1 分〜12 時間 | 11ナイン | 99.99%(取出後) | $0.0036 |
| S3 Glacier Deep Archive | 年 1-2 回 | 12〜48 時間 | 11ナイン | 99.99%(取出後) | $0.00099 |
3. 特徴
Standard
- デフォルト。とりあえずこれ
- 高頻度アクセス・即時取得
- 最も高い
Intelligent-Tiering
- アクセスパターン不明な時に最適
- AWS が自動的に最適クラスへ移動(30/90/180 日基準)
- 監視費用 $0.0025/1,000 オブジェクト
- 取り出し料金なし
Standard-IA(Infrequent Access)
- 月数回程度のアクセス
- ストレージは Standard より約 45% 安い
- 取り出し料金あり(GB あたり)
- 最小保管期間 30 日
One Zone-IA
- 再生成可能なデータ向け
- 1 AZ のみに保管 → AZ 障害でデータ消失リスク
- IA より約 20% 安い
Glacier Instant Retrieval
- アーカイブだけど即時取得したい
- 四半期に 1〜2 回程度のアクセスが想定
- IA より約 70% 安い
Glacier Flexible Retrieval(旧 S3 Glacier)
- 本格アーカイブ
- 取り出し時間:迅速(1-5 分)/ 標準(3-5 時間)/ バルク(5-12 時間)
- 最小保管期間 90 日
Glacier Deep Archive
- 超長期アーカイブ(最低 180 日保管前提)
- 取り出し:12-48 時間
- 最安:$0.00099/GB ≒ Standard の 1/24
4. 仕組み
ストレージクラスは オブジェクトごとに個別設定できる。バケット内に Standard と Glacier が混在しても問題ない。
動作の流れ
- オブジェクト PUT 時にクラス指定(ヘッダ
x-amz-storage-class) - または ライフサイクルポリシー で時間経過後に自動移行
- Intelligent-Tiering はアクセスパターンを監視して自動最適化
- 取得時:クラスに応じて即時 or 復元リクエスト
Glacier 取り出しオプション(Flexible)
- Expedited(迅速):1-5 分・$10/1,000 リクエスト
- Standard(標準):3-5 時間・$10/1,000 リクエスト
- Bulk(バルク):5-12 時間・無料に近い
Deep Archive 取り出し
- Standard:12 時間
- Bulk:48 時間
5. ユースケース
ユースケース 1:Web 画像(Standard)
頻繁アクセスの本番コンテンツ。
ユースケース 2:ログ・分析データ(Standard-IA)
直近 30 日は頻繁、その後は月数回 → IA に移行。
ユースケース 3:サムネ等再生成可能データ(One Zone-IA)
オリジナルから再生成可能なら One Zone でコスト削減。
ユースケース 4:医療画像・規制データ(Glacier Instant Retrieval)
長期保管必須だが、取得は即時希望。
ユースケース 5:監査ログ・バックアップ(Glacier Flexible/Deep Archive)
法定保管 7 年・10 年などの最終置き場。
ユースケース 6:アクセス予測不能(Intelligent-Tiering)
新規プロジェクトで使われ方が読めないデータ。AWS にお任せ。
6. 関連用語
- S3 — ストレージクラスの基盤
- S3-Lifecycle — 自動クラス移行
- S3-Glacier — Glacier 系クラス詳細
- S3-Intelligent-Tiering — 自動最適化クラス
7. 関連サイト
AWS 公式
参考
🎓 試験での出題傾向
| 試験 | 重要度 | 主な出題パターン |
|---|---|---|
| CLF | 中 | クラスの存在と料金階層概念 |
| SAA | 高 | シナリオに応じた最適クラス選定(最頻出) |
| DVA | 中 | クラス指定 API、ライフサイクル |
| SOA | 高 | コスト最適化・クラス移行運用 |